12月6日(金)10:00~11:15(75min)パネルディスカッション
サプライチェーンのトラスト確保に向けた標準化について
最近のICT製品のサプライチェーンにおいては、取引先のなりすまし、偽造品や不正部品の混入、ソフトウェアの改ざんなどによる品質不良や脆弱性発生などが多発し、サプライチェーンセキュリティの脅威がますます深刻化しています。沖縄オープンラボラトリでは2022年からグローバルなサプライチェーンにおいて、正規な取引相手から改ざんの無い正規品を導入・運用するためのトラストフレームワークに基づくプロトタイプの開発、実証を続けていますが、2024年度は、国内外、ICT以外の産業も含めたエコシステム型の解決をめざして、国際標準化への取り組みを進めています。今回のパネルでは米国国立標準技術研究所(NIST)のMichael Pease氏、日本規格協会の伊賀洋一氏、電通イノベーションイニシアティブの鈴木淳一氏など、国際標準化やICTテクノロジー分野の最先端で活躍する専門家に参加いただいて、トラストフレームワークの実用化(サービス化)に向けた取り組み、課題、方向性について議論します。
パネル登壇者
鈴木 淳一 / Junichi Suzuki
電通イノベーションイニシアティブ
株式会社電通グループのR&Dセクター「電通イノベーションイニシアティブ」にてディレクターを務めるほか、Innovators Under 35 Japan | MIT Technology Review Advisory Board、放送大学客員准教授、一般社団法人ブロックチェーン推進協会(BCCC)理事を兼務。2017年にCERNなどと国際会議体「Table Unstable」を開始し、気候変動や民藝などに関する社会課題に対して伝統的な知識と先進科学技術の融合により解決を試みるとともに、派生活動として小中学生向けアウトリーチ活動を推進。プラットフォームフリーかつトラストアンカーレスのトークンエコノミーが導く未来についてホワイトペーパー「Blockchain 3.0:Internet of Value」にて概念化し、『Social City』(Springer)、『ブロックチェーン3.0』(NTS)、『DX事例100選』(NTS)にて具体化を試みる。
大崎 人士 / Hitoshi Ohsaki
サイバーフィジカルセキュリティ研究センター
電子技術総合研究所研究員(2000)を経て、現在、産業技術総合研究所サイバーフィジカルセキュリティ研究センターのインフラ防護セキュリティ研究チーム長。米国イリノイ大学での在外研究(2007-2008)、経済産業省情報セキュリティ政策室(現在のサイバーセキュリティ課)への在籍出向(2013-2014)、経済産業省安全保障貿易管理調査員(2018-2020)、METI産業サイバーセキュリティ研究会 電力サブワーキンググループ委員(2018-現在)等の経歴。専門は計算論。直近は、確率微分方程式の数理モデルにもとづくデータ解析の研究に従事。文部科学大臣表彰若手科学者賞受賞(2006)。
伊賀 洋一 / YOICHI IGA ※リモート参加
一般財団法人日本規格協会
半導体企業に在籍していた(39年)<NEC、ルネサス> 経歴>生産技術、製品技術、信頼性品質技術 定年後、ISO上層対応、国内審議団体コンサルタント(10年~)
Michael Pease ※リモート参加
米国国立標準技術研究所(NIST)
Aliza Maftun ※リモート参加
Senior Key Expert, SIEMENS, DIS
辻川 公章
アラクサラネットワークス株式会社
執行役員
2021年アラクサラネットワークス入社、2022年4月より経営戦略及び事業開発担当執行役員本部長として中期成長戦略の策定執行と新規事業開発の推進を統括。2021年よりサプライチェーンセキュリティ確保に向けた事業開発を開始、2022年に沖縄オープンラボにてサプライチェーンのトラスト基盤実現をめざすTrusted Networkプロジェクトを主宰、価値検証・実証評価を実施。また国内外のセキュリティ・標準化関連機関と連携し、国際的なサプライチェーンのトラスト・フレームワーク策定に取り組む。ISO TC292 WG4国際標準化委員。